後立山(長野/富山) 蓮華岳(2798.7m)、針ノ木岳(2820.7m) 2023年9月2日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  1:00 扇沢市営第一駐車場−−1:05 登山口−−1:17 林道入口−−1:32 車道終点−−1:34 堰堤(梯子で越える)−−1:39 篭川にかかる橋(標高1620m付近)−−1:47 大沢小屋(休業中)−−2:07 河原(標高1820m付近)−−2:13 橋(標高1840m付近)−−2:33 橋(標高2000m付近)−−2:53 篭川本流渡渉(標高2150m付近)−−3:11 最終水場(標高2290m付近) 3:14−−3:46 針ノ木峠−−4:48 蓮華岳 5:47−−6:19 針ノ木峠−−6:57 針ノ木岳 8:00−−8:42 針ノ木峠−−8:39 最終水場(標高2290m付近)−−8:49 篭川本流渡渉(標高2150m付近)−−9:03 橋(標高2000m付近)−−9:13 橋(標高1840m付近)−−9:16 河原を離れる(標高1820m付近)−−9:30 大沢小屋−−9:34 篭川にかかる橋−−9:39 堰堤(梯子で下る)−−9:40 林道−−9:50 舗装された車道−−9:54 水浴び 9:59−−10:03 登山口−−10:04 扇沢市営第一駐車場

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2023年9月2日 日帰り
天候晴。西寄りの風ややあり
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場扇沢駅直下の有料駐車場より下に市営無料駐車場あり。ただしハイシーズンには早朝に満車になるので注意
登山道の有無あり
籔の有無大沢小屋付近で笹のはみ出しあり。笹が濡れている時は雨具必携
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント鹿島槍にするか行先に悩んだが強風の可能性もあり針ノ木岳と蓮華岳に。結果的にはそれほど風は強くなかった。今シーズン初めて秋らしい天候となり、湿度も気温も下がって登りではほぼ汗をかかずに済んだ。空気の透明度は良好で男体山もはっきり見えていたので、もっと展望がいい山ならもっと遠くまで見えたかも。最終水場の沢は涸れて一段低い沢が現在の最終水場だが水量細く、そのうちもっと下の沢が最終水場になりそう。扇沢の市営第一駐車場(無料)は金曜の午後8時の段階で既に9割ほど埋まった状態で、柏原新道近くの駐車場も車が多く、スノーシェッドを下った駐車余地にも何台も車があった


蓮華岳から見た日の出前の鋸山から袈裟丸連峰。残念ながら皇海山は志賀高原の山に邪魔されて見えない


夜中1時の第一駐車場。まだまだ車が上がってくる ゲート&登山口。いつも明かりが煌々と輝いている
林道へ入る 梯子で堰堤を越える
橋が無くても渡れるくらい水量が減っている 高曇りの空に明るい月。シルエットで針ノ木岳が見えている
大沢小屋 篭川河原に移行
下流側の橋 上流側の橋
本流は涸れそうなほど細い 最終水場。ここではもう水は出ていない
最終水場標識から沢を10mくらい登ってやっと水が得られた 針ノ木峠。まだ午前3時半過ぎで無人
稜線に出ると種池山荘と冷池山荘の光が見えた 安曇野/松本市街地の光
金星と蓮華岳 蓮華岳西の肩に到着
蓮華岳東の肩(三角点)。まだ日の出前 蓮華岳から見た燧ヶ岳
蓮華岳から見た奥日光北部の山々 蓮華岳から見た横手山。ここから日が上がった
蓮華岳から見た日の出。横手山の右手から登場 蓮華岳の影
蓮華岳から見た足尾山塊の鋸山〜袈裟丸連峰
蓮華岳から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
蓮華岳から見た奥秩父、奥多摩の山々(クリックで拡大)
蓮華岳から見た八ヶ岳
蓮華岳から見た南アルプス
先月には無かった新しい標識 針ノ木峠へ下っていく
咲き残ったコマクサは少しだけ イワギキョウ
シラタマノキの実 イワツメクサ
ゴゼンタチバナ 針ノ木峠と針ノ木小屋
テント場 テントが多いとここもテント場になる
タカネヤハズハハコはドライフラワー化 北斜面は冷たい風がブロックされほっとする
ベニバナイチゴの実 ウラシマツツジが僅かに紅葉
針ノ木岳山頂直下 針ノ木岳山頂。ここも山頂標識が新しくなっていた
針ノ木岳から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
針ノ木岳から見た東の展望(クリックで拡大)
針ノ木岳から見た中越の山々
針ノ木岳から見た平ヶ岳 針ノ木岳から見た奥日光北部
針ノ木岳から見た男体山 針ノ木岳から見た袈裟丸連峰
針ノ木岳から見た立山、剱岳
針ノ木岳から見た大天井岳
針ノ木岳から見た槍穂
針ノ木岳から見た後立山
針ノ木岳から見た奥秩父、奥多摩(クリックで拡大)
針ノ木岳から見た南アルプス
針ノ木岳から見た剱岳 針ノ木岳から見た常念岳
針ノ木岳から見た穂高連峰 針ノ木岳から見たスバリ岳への稜線
針ノ木岳から見た立山雄山 針ノ木岳から見た五色ヶ平山荘
針ノ木岳から見た種池山荘と冷池山荘 針ノ木岳から見た新越山荘
針ノ木岳から見た船窪小屋 僅かに咲き残ったタカネシオガマ
トウヤクリンドウはもうおしまい 毛があるのでチシマギキョウ
オノエリンドウ。花が開いているのを初めて見た 下山開始
下山開始 ミネウスユキソウ
イワツメクサ タカネヨモギ
ミヤマアキノキリンソウもおしまい ウメバチソウはたくさん咲いていた
カール オヤマリンドウ
テント場を見下ろす 峠直下を上がってくる登山者
針ノ木峠 扇沢向けて下山
続々と上がってくる もうここは水が枯れているので標識を移動
1段下の沢が現在の最終水場 マヤクボ沢は水が流れていた
傾斜が緩み谷幅が広がったここで左岸へ移行 谷に下る道はロープで通行止め(もう雪渓は無い)
時々沢を横切るので水補給可能 奇跡的に一輪だけ咲き残ったミヤマキンポウゲ
見下ろすが雪は欠片も残っていない ミヤマコゴメグサ
マイヅルソウの実 ミヤマママコナ
トリカブト 急な岩場。落石の危険があるので登りの人を待つ
岩場に取り付く人 上流側の橋
登りでは橋を渡って正面の岩壁を上がる 右岸高巻道から橋への入口。今回は誘導ロープあり
右岸高巻道 右岸高巻道で唯一の水場(大岩)。秋でも流れている
モミジカラマツはほとんど終わっていた 下流側の橋
橋から上流を見上げる 河原から左岸斜面へ入る
オトギリソウ シモツケソウ
オオバギボウシ タテヤマウツボグサ
イワショウブ オヤマリンドウ
ヤマハハコ 大沢小屋
キオン 大沢小屋荷上げ道の橋
シロバナニガナ カラマツソウ
クガイソウ 先を歩く男性登山者。私と同じペースだった
オニシモツケ シモツケソウ
テンニンソウ 針ノ木岳とマヤクボ沢
堰堤 草刈りの跡
林道終点 サラシナショウマ
草がボウボウにはみ出しているが林道 ソバナ
比較的まともな林道区間 林道入口
ゲンノショウコの花 ゲンノショウコの葉。茎と共に毛が生えている
もう散ってしまったトモエシオガマ 水浴び場入口
お気に入りの水浴び場 ゲートと登山口
扇沢駅 市営第一駐車場


 今年も9月に入ってもまだまだ暑い。いつになったら涼しくなるのかと思えるほどで、車も自宅もエアコンが欠かせないまま。北アルプスは花はもう秋だが気温はまだまだ夏のままで、防寒装備は軽いままで大丈夫な状況だ。週半ばから徐々に大気の状態が安定となり、会社帰りの夕方に夏場は雲に覆われて見えないことがほとんどの後立山の稜線が見えるようになった。予報でも局地的な雷雨の可能性はあるが、広範囲での雷雨は無いとのことであった。

 今週末の出かける先であるが、鹿島槍にするか悩んだ末に針ノ木岳を選択した。これは土曜日は日本海の前線が東に進み、そのしっぽが北アを掠めるので風が強い可能性を考慮してのことだ。鹿島槍は稜線歩きが長いので風に吹かれる時間も長い。その点、針ノ木岳は山頂直下まで稜線北側を上がるので西寄りの風を防げる。もし風がそれほど強くなかったら蓮華岳にも足を延ばせば、鹿島槍ほどではないが体力作りになるだろう。

 金曜夜8時に扇沢の市営第一駐車場(無料)に到着。金曜夜なのに柏原新道周辺の駐車場&駐車スペースはかなり埋まっていて、スノーシェッドを下った駐車余地まで車があったのには驚いた。第一駐車場は既に9割がたが埋まって空きは僅かで、金曜夜でこの状態はこれまでに経験が無い。これだと日付が変わる頃には満車になっているだろう。夜間に車の出入りが少ないできるだけ奥の区画を確保して酒を飲んで寝た。この日は夜の気温が初めて+20℃を切って涼しくなり、今シーズン初めて長袖、長ズボンを着用して寝ることができた。

 蓮華岳山頂に日の出の時刻に到着するよう午前1時に出発。満天の星空かと思いきや、薄い雲が多いが月が輝いている。雨の心配はなさそうだ。気温は先週よりも確実に低く、これまた今シーズン初めてウィンドブレーカを着て歩き出すことに。

 まだ車が上がってくる中をLEDライトを点灯して出発。真夜中でもライトが煌々と輝いているゲート横の登山口に入り、いつもと同様に夏道ではなく大沢小屋荷上げ道に入る。梯子で堰堤を越えて橋で左岸に渡って大沢小屋で夏道に合流。標高1800m付近で篭川の河原に出ると谷を吹き降りる風が涼しい。この先は河原などの石が転がって足跡が残らない区間が長く続くため、初めて歩く人はルートが分かりにくく、私のように真っ暗な中を歩くのはお勧めできない。おそらく河原に出て最初で迷うであろう。それに2箇所の橋に通じる道を見落として直進してしまう可能性が高い。

 標高1840m付近で橋で右岸に渡るが水量は前回よりさらに減り、橋の下流だったら飛び石で渡れる程度であった。右岸の高巻道(秋道)は1箇所だけ大きな岩の基部を通過する箇所(標高1960m付近)があるが、ここは渇水期でも水が流れているので水補給が可能である。標高2000m付近で赤茶けた大きな2つの岩が狭い門のように並んだ箇所で道は左岸に移るため沢の流れの方に右折する。ここは昼間でも間違えて直進する人が少なからずいるのだが、今回は直進しないようロープが張られていた。このロープは橋へと誘導するように続いていて、これは分かりやすくていい処置だと思う。ここの橋はもう不要だろうと思えるほど水量は減っていた。

 左岸に移って岩場を急登してトラバース区間へ移行。ここは数か所で沢を横断するので水の補給が可能である。標高2150m付近で篭川本流を渡って右岸へ移行するが、水が涸れそうなほど水量が減っていた。

 右岸に道が移行してからはしばし右岸を登る。もうこの付近の夏の花も完全に終わっていて、比較的遅くに咲くモミジカラマツの花も見られなかった。

 最終水場の標識で水を補給しようとしたら、もしかしたらと覚悟はしていたが水は涸れていた。ただし、上流はまだ流れている可能性があるので空のペットボトルを持って遡上すると標高差で10m程度で流れが復活。と言ってもかなり細く、ここが完全に使えなくなるまでそう長くはかからないだろう。今年は本当に渇水が酷い。

 登山道は本流である右手の沢に移って涸れた沢の右岸を上がっていき、やがて左岸に移ると赤茶けたザレた斜面をジグザグに上がっていく。ここまで来れば針ノ木峠は近いが峠に光は全く見えなかった。まだ午前3時半だからなぁ。日の出までまだ2時間近くある。

 真っ暗で無人の針ノ木峠に到着。小屋の明かりが漏れているがまだ動く人影は見られなかった。ここからだとテント場はまだ見えない。峠では風はそれほど感じなかったので吹きっ晒しの稜線が長い蓮華岳に向かうことにした。僅かに登るとテント場が見えるようになるがここには明かりが数個見えていた。もっと上がると針ノ木岳に向かう登山者の明かりが一つだけ見えていた。おそらくあちらからも私の光がぽつんと一つだけ見えているだろう。

 南西の風は予想より強くはないとは言えそれなりに吹いており、ハイマツが低くなって風当たりが強くなり始めたところで防寒装備を着込む。登りで長ズボンを履いたのは今シーズン初めてで、上半身はフード付きの防風仕様。フードだと頭と首の両方を同時にカバーできるので毛糸の帽子+ネックウォーマーよりも風に対する防寒効果は大きい。手袋は今シーズン初めて防寒テムレスで、今の天気では防水である必要はないが防水だと風を通さないので風がある場合はフリース等の手袋より保温効果が高い。地を這うハイマツ帯が最も風が強くなる場所であるが、体が振られるようなことはなかったので最大瞬間風速は10m/s程度だったと思う。

 2754m峰付近でチングルマが登場し、ここにはミヤマリンドウが生えているはずであるが全く見られなかった。針ノ木峠付近でもかなりしつこく探したが姿は無く、あれは花が終わると姿を消してしまうようだ。春ではカタクリなどが同じように花が終わって姿を消してしまい「スプリングエフェメラル(春の妖精)」と言われるが、ミヤマリンドウは「オータムエフェメラル」とでも言うべきか。

 蓮華岳へ向けて最後の登りでは赤く焼け始めた東の空に明るく輝く星が。おそらく「明けの明星」の金星であろう。私のデジカメで普通に撮影してまともに星が写ったのだから相当な明るさである。地平線付近は低い雲がかかっているようだが志賀高原の一部のピークは雲の上に頭を出していて、今日は遠望が期待できそうだ。

 ライトがギリギリ必要かどうかくらいの明るさで祠のある蓮華岳西の肩に到着。まだ日の出まで30分程度あるはずで、休憩を兼ねて山頂で待つことにする。三角点のある東の肩に移動したが、北葛岳へと下る箇所に設置された蓮華岳山頂標識は新しくなっていた。少なくとも7月中旬に登った時はまだ古い標識のままだったので、ここ1ヵ月で更新されたようだ。この形式の標識は北アルプスで徐々に広がってきており、順次更新されているようだ。意味は読み解けないが標識にはアルファベット+数字が書かれており、これが現在地を示しているのだろう。遭難者には意味不明でも救助する側はこの記号を聞けば場所を特定できるはずだ。メジャーな山域では近年はこのような機能を持つ標識が徐々に増えてきている。

 風を避けて休んでいると5分くらいで次の登山者が到着。2754m峰到着時に針ノ木峠方面を見下ろした時にはかなり遠くに光が見えていたのだが、あれからかなり距離を詰めたので確実に私よりも足が速い。当然ながら針ノ木峠泊で軽装で蓮華岳に上がってきた。昨日は針ノ木岳に登ったがガスはかからず展望は良かったとのこと。ちなみにこの男性は山梨県在住で先週は北岳に登ってきたとのこと。ここから北岳が良く見えていた。さらに少しして3人目が到着した。

 南西の風なので湿気が多くて空気の透明度は良くないと予想していたが実際は逆で、体感的には気温も湿度も低くて空気の透明度は良好だった。八ヶ岳、富士山、南アルプスがはっきりと見えており、東には尾瀬の平ヶ岳、燧ヶ岳に奥日光の根名草山付近、男体山の頂上付近、足尾山塊の鋸山〜前袈裟丸山がはっきりと見えていた。この感じでは視程は200kmくらいありそうであるが、残念ながら蓮華岳や針ノ木岳からではそれだけ遠い山は他の山に隠れて見えない可能性が高い。約1ヵ月前の白馬岳のような飯豊や朝日連峰はここからでは北信の山々にブロックされてしまう。

 約1時間の休憩で針ノ木岳向けて出発。明るくなったので花を探しながら歩いたが、真夏と違って数も種類も少なかった。咲いていたのは僅かに残ったコマクサとイワギキョウ、イワツメクサ、ゴゼンタチバナくらいで、ミヤマアキノキリンソウは終わっていた。

 針ノ木峠までの間に数人の登りの人とすれ違った。針ノ木峠到着は午前6時過ぎでありテント場は数張が残るだけ。日曜日までは好天予報なので、もっとあったはずのテントの主は種池方面へ縦走に向かったのだろう。もちろん小屋泊まりで縦走に向かった人も多かっただろうが、今は軽装で針ノ木岳に登って山頂で日の出を見て下山してくる人とすれ違った。針ノ木岳への登りは稜線北側を巻く区間が長いので西寄りの風を避けられてほっとする。体が温まったので針ノ木峠で半袖半ズボン姿に変身済みである。海の日の連休と前回も小屋近くのテント場だけでは間に合わず、もっと上の斜面にもテントが張られていたが、今回はそちらにはテントは無かった。

 先月は少し残っていた夏の花は完全に終わり、ミヤマアキノキリンソウでさえもう終わりかけで、今一番勢いがあるのはウメバチソウ。オヤマリンドウも見られた。気の早いウラシマツツジは紅葉が始まった葉もあるが、このまま暑い秋が続くと昨年同様に紅葉の鮮やかさは期待できないだろう。去年の北アルプスの紅葉は色付きはイマイチだった。

 最後の登りで針ノ木岳山頂に到着。ここの標識も新しくなっていた。数人の先客が岩陰で風を避けながら休憩中。この夏はこの時刻はもうガスが上がりかけのことが多かったが、今日は安曇野の雲海は出ておらずに東の空の奥日光の山々がまだ見えたままと条件がいい。このままなら日が高くなってもガスに巻かれることはなさそうだ。

 針ノ木岳にやってくる登山者のうち半分程度が種池方面へと縦走に向かい、残り半分は私と同じく針ノ木峠から往復であった。山頂直下で3人組を追い越したが、このパーティーに山頂で撮影を頼まれて話をしたら地元池田町からとのこと。私も地元だがずっと北アに近くて羨ましい。見えている安曇野の平野の一部は池田町のはずだ。

 針ノ木岳山頂でも1時間ほど休憩して展望を堪能してから下山を開始した。この時間帯は小屋泊まりの人は既に山頂に登った後だし、扇沢から日帰りの人はまだ山頂まで届かない(トレランを除く)ので、山頂は静かであった。

 針ノ木峠から下りにかかると登りの登山者がぐっと増えた。峠直下の左岸ジグザグ道は幅が狭いのですれ違いに気を遣う。水が涸れた最終水場の標識は一つ下のまだ水が流れる沢に移しておいたが、ここも流れが細いのでこのまま雨が少なければ近日中に涸れてしまいそうだ。

 右岸から左岸に移ると1輪だけ咲き残ったミヤマキンポウゲを発見。おそらく今年見る最後のミヤマキンポウゲだろう。高巻道ではミヤマコゴメグサ、ミヤマママコナはまだ咲いていたが、あと2週間くらいかな。トリカブトの花も咲いていた。

 水平区間を終えて岩場の下りにかかると落石の危険があるので、直下に人がいる場合は通過まで待つのが安全だ。上流側の橋からこの岩場にかけては登りの人がまとまっていたが、再び右岸に移ると人数はぐっと減った。ちょうどいい時期ならこの斜面は一面のモミジカラマツで真っ白になるのだが、今年はもう花は終わっていた。

 下流の橋を渡って河原から左岸の登山道に移行する場所が最後のお花畑。オオバギボウシはまだ頑張って咲いていたのにはびっくり。ニッコウキスゲはもう見られなかった。タテヤマウツボグサは僅かに咲き残り。前回も咲いていたイワショウブは今回の方がたくさん咲いていた。

 大沢小屋から荷上げ道に入ると、ここまで私と前後して歩いてきた男性も同じく荷上げ道へ入る。ここで残雪期以外で他の登山者と一緒になるのは初めてで、この男性もおそらく残雪期に登った経験があるのだろう。歩くペースは私と同じくらいで、写真撮影で私が立ち止まって以降は追い付くことはなく、姿は見えなくなってしまった。ストックを使用していたが岩場ではストックは使わず臨機応変の歩き方で、まだ若かったが相当の経験を積んでいると見た。私が見る限りはストックを使っている登山者の多くは使いこなしているとは言い難く、形から入ったものの本当に形だけで、ストックを使う意味があると思えない歩き方の人が多い。

 林道から舗装道路に入り、車道をショートカットする登山道から次の車道に出る直前で左に入ると10秒程度で涸れた沢に出る。本流は涸れているが横から勢いよく水が流れ込んでいるのでここで水浴び。どこからか涌いているようで冷たく澄んだ水である。

 登山道に戻ってゲート横の登山口を通過。前回はここに登山相談所の仮設テントがあったが既に撤収されていた。もう夏山シーズンのピークは終わったということだろう。第一駐車場に下っていく途中で大ザックを背負った姿も見かけたが、針ノ木岳方面に向かうのか、それとも扇沢駅から黒四ダム方面に向かうのだろうか。

 第一駐車場に到着するとほぼ満車であったが数台の空きがあった。8月は駐車場入口に整理員がいて満車の場合は車を入れないようにしているのだが、9月に入ってからは整理員は派遣しなくなったようで入口に人はいなかった。すぐ下の第二駐車場は路側まで埋まっていたので満車状態だろう。柏原新道周辺の駐車場も軒並み満車だった。

 

山域別2000m峰リスト

 

ホームページトップ